G20や国際会議などでは、仮想通貨は暗号資産(Crypto asset)と呼ばれているため、日本政府も国際標準に合わせるために行政上での仮想通貨の名称を暗号資産へと変更しました。
世界で大きくお金のあり方を変えようとしている暗号資産ですが今回はもっとも利用されている暗号資産であるビットコインで決済ができる場所をご紹介します。
決済手段としてのビットコイン
ビットコインは2009年に誕生。2017年の仮想通貨バブルで1ビットコインが200万円を超え、1年で価格が10倍近く増加したなどと多くのメディアが取り上げました。今まで暗号資産に興味のなかった方も、これをきっかけにビットコインや他の暗号資産を知り、国内の取引所に口座を開いた方も多かったのではないでしょうか。
その当時は、暗号資産は投資や投機目的で売買されることがほとんどでした。しかし2019年現在、国内外問わずに仮想通貨が決済の手段として利用されることが増えてきました。ビットコイン決済ができる企業数は6年前と比べて7倍近く増加しており、今後もっと増えていくことが予想されています。
海外でビットコイン決済ができる場所
2019年6月4日現在、ビットコイン決済ができる店舗は14,934店舗もあるそうです。ビットコインが使える場所は、実店舗であればcoinmapをつかって探すことができます。
このサイトでは、ビットコイン決済ができる宿泊施設や飲食店がマップ上に表示されるので、旅行や出張で海外に行く際、事前に行先の地域に支払いができるお店があるかを探すことができます。
俯瞰して見てみると、やはり先進国であるヨーロッパ諸国やアメリカにはビットコイン決済ができる場所が多く。アジアでも日本や韓国では対応できるお店が多いですが、気を付けなければいけないのは中国です。
日本からの旅行者も多い中国ですが、政府は暗号通貨コミュニティーに対して厳しい態度をとっており、2018年9月にはデジタル通貨と法定通貨の交換サービスを禁止し、多くの取引所が閉鎖。2019年4月には暗号通貨のマイニングを禁止する方針を打ち出すなど、暗号資産についてまったく寛容ではありません。暗号通貨の流通や決済については認めてはいるものの、他の経済国と比べると一般への普及はかなり遅れているため、ビットコイン決済ができる場所が今後増えていくかは不明です。
暗号資産ATM
暗号資産ATMとは、ビットコインなどの暗号通貨を購入したり自分のウォレットに保有している暗号通貨を現金に換えることができるATMのことです。日本に設置されている数は少なく、現在は国内で4か所だけですが、世界には4,914か所にも暗号資産ATMが設置されています。
世界中に点在する暗号資産ATMを探したいときに役に立つサイトが「Coin ATM Rader」というサイトです。設置場所がマップ上に表示されているので、」世界中の暗号資産ATMを探すことが可能。ビットコインだけでなく、イーサリウムやライトコインなどのアルトコインを取り扱っているATMも探すことができるのでとても便利です。見てみるとその数のほとんどが北アメリカやヨーロッパが占めています。
日本人がアメリカへ旅行に行き、現地の暗号資産ATMでビットコインを売ってドルを得る、なんてこともできるようにはなりました。しかし、気をつけなければいけないのが手数料です。ATMによって、コインの売買にかかる手数料は異なり、高く設定されていることもあるので注意が必要です。
ビットコインデビットカード
ビットコインデビットカードの発行を行っている会社は、国内外問わずたくさんあります。まだビットコイン決済ができないところも多いからこそ、ビットコインデビットカードはとても便利。ビットコインデビットカードを作っておけば、クレジットカード決済ができるお店であればビットコインデビットカードを利用してビットコインで決済できます。
特に、海外へ行く機会が多い方は作っておいたほうがいいかもしれません。自身のウォレットと連ビットコインデビットカード動したタイプとプリペイドタイプがあるので、自分のスタイルに合ったものを選ぶとよいでしょう。
オンラインショップでのビットコイン決済
オンラインショップでもビットコイン決済が可能なサイトは増えてきています。国内で有名なところをあげると、暗号資産での決済に特化したショッピングモールBitcoin mall、取引所も運営している家電量販店大手のビックカメラ、総合エンタメサイトDMM.COM などがあります。
国内の仮想通貨取引所大手のbitFlyer(ビットフライヤー)では、ビットコインでアマゾンギフトカードを購入することも可能です。
海外の企業では、小売大手のoverstock.comや、旅行代理店のExpediaなどがあります。
今後もオンラインでのビットコイン決済は増えていくことが予想されています。国内大手ECサイトである楽天の三木谷社長は、楽天での決済手段としてビットコインを使っていく可能性があると発言。傘下である楽天ウォレット株式会社は、2019年6月以降に暗号資産取引サービス「楽天ウォレット」を提供開始する予定となっています。
ヤフーもアメリカのYahoo Financeで暗号資産の取引を開始し、日本ではヤフー関連会社のTao Tao株式会社は2019年5月30日に暗号資産交換所「Tao Tao」のサービス提供を開始しました。今後ヤフーが提供するショッピングモールやオークションサービスなどでもビットコイン決済ができるようになる可能性があります。海外の方がオークションに出品した商品を日本にいる自分が法定通貨を使わずにビットコインで決済をしたり、その逆で出品した商品を海外の方が直接ビットコインで購入するなんて未来も、そう遠くないのかもしれませんね。
まとめ
日本は、取引所での暗号資産の取引は活発ですが、法定通貨のように一般社会において決済手段として利用するという面ではかなり遅れているように思えます。ですがアメリカやヨーロッパを中心に、ビットコインでの決済ができるお店やサービスが増え、日常生活に溶け込んできていることは事実です。ある企業の調査では、世界の8人に1人がネット通販を利用する際にビットコインなどの暗号資産を決済手段として選択しているというデータも!実店舗、オンライン問わずその存在感は日々増しています。
今までは旅行や仕事で海外に行く際は、日本円を行き先の国で使われている法定通貨に交換する必要があり、決して安くない為替手数料を取られていました。ですが近い将来に現地での決済はすべて暗号資産で行うなんてことができるようになるかもしれません。また、旅行中にビットコインの価格が上がった時はビットコインで決済し、下がった時は法定通貨で決済するなど、おトクに買い物ができるようになるかもしれません。
グローバル通貨としての地位を上げてきているビットコインを保有するには、ウォレットが必要になります。これは実世界でのお財布のようなものです。取引所に口座を開設すると、その取引所が管理するウォレットを利用することができますが、取引所が破綻したりハッキング被害に合うと自分の暗号資産を失うリスクがあります。取引所で売買をしない暗号通貨は、自分のウォレットで管理したほうが良いでしょう。