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仮想通貨(暗号資産)「Factom(ファクトム・FCT)」とは?特徴・購入方法などをやさしく解説

世界のSNSの覇者である米フェイスブックが 2019年6月18日に仮想通貨Libra(リブラ)の提供を発表するなど新しいコインが次々と誕生し、盛り上がりを見せている仮想通貨(暗号資産)ですが今回はFactom(ファクトム・FCT)について解説していきます。

Factomとは

Factomとは2015年に発表されたプロジェクトでFactom inc.が開発、管理を行っているプラットフォームです。土地や保険などの書類や記録のデータをブロックチェーン上で管理することを目的に開発されたもので、通貨の名称はFactoidですが一般的にはファクトム(FCT)と呼ばれています。
コインの時価総額は、2019年6月21日現在 ¥6,177,537,762
仮想通貨全体での時価総額ランキングは101位の位置にいます。
ブロックチェーンを利用し、通貨以外の機能もサービス提供できるためビットコイン2.0とも呼ばれていますが、ビットコインとは違って管理者が存在しており、発行上限枚数は決められていません。現在、約1000万枚が市場に出回っているとされています。

Factomの特徴

Factomは前述のように書類データをブロックチェーン上に書き込むことで、安全かつ匿名性を保ちながらデジタル情報を管理することを目的に開発されたプラットフォームで、アメリカ・テキサス州にあるFactom incによって運営されています。土地の貸付記録や医療のカルテ、保険、証券なども個人情報をブロックチェーン上で管理することで改ざんや漏洩の危険をかなり低くすることができるのです。

通常ブロックチェーン上にデータを書き込むには、データ量に比例してマイニングに時間とコストがかかります。しかし、ファクトムでは記録するデータを整理し、ファクトムのデータサーバー上に保管後、暗号化してからビットコインのブロックチェーン上に書き込む形をとっているため、効率の良いデータ管理を可能にしています。

あらゆる個人や法人がデータ管理を行っているので、ファクトムの汎用性は高く今後が期待されており、ビルゲイツ財団から約50億円規模の資金提供を受けているほか、マイクロソフトとも技術提携を行っています。

ファクトムの主なプロジェクト

ファクトムが行っている主なプロジェクトをご紹介します。

ファクトムハーモニー

ファクトムハーモニーとは住宅ローン市場向けに作られたサービスです。世界の土地や不動産の登記情報や住宅ローンの情報量は膨大で過去に何らかの形で記されたデータが40兆ページ分も存在するといわれており、アメリカの住宅ローンの書類管理だけで年間に⑤兆円のコストが発生しているといわれています。この膨大なデータをブロックチェーン上に保存することにより、改ざんのリスクを下げるのはもちろん銀行などの第三者へかかるコストの削減などが可能になります。

dLoc

dLocとはSMARTRAC社というIT企業と提携して開発されたもので、今まで紙で管理されていたデータをブロックチェーン上に記録してバーコードやQRコードですぐに読み込んで引き出すことを可能にしようとするサービスです。主に医療の分野での応用が期待されており、今まで紙で管理していた患者のカルテをすぐに引き出し、過去にかかった病気やアレルギーなどをどこの医療機関でも確認することができるようになるといわれています。また卒業証書などの各種証書に応用することにより個人の経歴の詐称を防ぐことができます。

Factomを扱っている取引所

Factom(FCT)を取り扱っている取引所を紹介します。

Coincheckのみ購入可能です。残念ながら他の仮想通貨取引所での扱いはありません。

1日の取引高順に
Poloniex  ¥196,165,919
Upbit    ¥90,074,106
Bittrex   ¥90,012,855

しっかりとしたプロジェクトを行っている企業の仮想通貨なので、今後コインチェック以外の国内取引所での上場も期待したいところです。コインチェックでは販売という形で購入することはできますが板注文はできません。
もし板注文したいのであればPoloniexなどの海外の仮想通貨取引所で行う必要があります。その際は円での購入ではなくビットコインでファクトムを購入するところが多いので、国内で一度ビットコインを購入し、海外取引所の自分のウォレットに送金すると良いでしょう。

今後の可能性

前述のプロジェクトを見てわかるように、ファクトムが行おうとしているのは世界規模で登記のシステムを変えようとすることです。世界のデータ管理市場は16兆円とも言われています。データ管理にかかる人件費や手数料が削減できれば、医療サービスや不動産の価格にも影響をおよぼし、一般社会にも恩恵を受けられる人が増えることも期待できます。

しかしその世界市場をファクトムが独占できるかといえば、それは難しいと考えています。データをブロックチェーン上に書き込んで保存管理を目指している企業は他にもたくさん存在しており、この分野での競争はかなり激しく今後より良いサービスを行う企業が出てきてもおかしくないからです。どこの企業がこの分野でのプラットフォーマーになるかは慎重に観察して考えないといけません。

まとめ

ファクトムが行っているプロジェクトは、実用的であることに加え提携や資金提供を受けている財団はとても有名な組織ばかり。企業としての信頼度は高く、FCT信用度の比較的高いアルトコインであるといえるでしょう。しかしビットコインと異なり、発行枚数に上限がないことが仮想通貨の時価総額ランキングで100位前後にとどまってしまっている原因になっているのではないかと考えられます。当然ながら、コインの価値はその商品の希少性で決まるので、ビットコインなど発行上限がきまっている仮想通貨は需要が高まるにつれて価格も上昇しますが、発行上限がないと需要が高くなり、発行されるたびにコインとしての価値は下がってしまいます。ですが今後市場の流通量を固定したり、新しくプロジェクトの進展が発表される可能性もあるのでファクトムの動向を探っておく必要があるでしょう。実際、不動産ローン会社との提携が発表されると価格が40パーセント近く上昇する場面が2018年11月にありました。

2019年6月21日現在、国内の仮想通貨取引所ではコインチェックのみであることが日本での知名度が上がっていない要因になっていると思います。2018年にコインチェックが金融庁から業務改善を受けた際に、通貨としての信頼性ガ低い通貨(匿名性が高くマネーロンダリングやテロリストへの資金提供の可能性が疑われる通貨)としてモネロ、Zキャッシュ、ダッシュ、オーガーの取り扱いを廃止しました。その際にファクトムの取り扱いをやめなかったということは、FCTは国内の基準でも信頼性の高い通貨であると考えられた可能性が高いです。したがって、ファクトムが今後コインチェック以外での仮想通貨取引所で上場される可能性もあるだろうと考えられます。そうなれば今より価格は跳ね上がることが予想されるので、注目度の低いうちから仕込んでおくのも良いかもしれません。もしファクトムを購入後に取引所のウォレットに保管しておくことが心配であれば、Ledger社のLedger Nanoを利用すると良いでしょう。