仮想通貨(暗号資産)取引で利益をあげるためには、将来性があり、価格の上がる見込みのある通貨にいち早く投資をするのが一番の近道です。全体として仮想通貨市場は以前の勢いを完全に取り戻したとは言いがたいですが、ひとつひとつを見れば、有望なものは決して少なくありません。今回は2019年最新版の将来性が期待できる仮想通貨を紹介します。
Contents
- 1 実用化が期待される「リップル(XRP/XRP)」
- 2 技術面での注目が集まる「イーサリアム(Ethereum/ETH)」
- 3 イーサリアムよりも高性能の「イオス(EOS/EOS)」
- 4 東南アジアを中心にシェアを伸ばす「オミセゴー(Omisego/OMG)」
- 5 独自のコミュニティが発展する「モナコイン(Monacoin/MONA)」
- 6 積極的に開発の進む「エイダコイン(Cardano/ADA)」
- 7 大型アップデートを控える「ネム(NEM/XEM)」
- 8 マサチューセッツ工科大学で開発された仮想通貨「エニグマ(Enigma/ENG)」
- 9 現状の仮想通貨の弱点を解決する「テゾス(Tezos/XTZ)」
- 10 基軸通貨として機能する「ビットコイン(Bitcoin/BTC)」
- 11 まとめ
実用化が期待される「リップル(XRP/XRP)」
国によって金融システムが異なるため、異なる国に送金をするにはSWIFT(国際銀行間通信協会)などを利用することになり、高い手数料や時間がかかってしまいます。そこでグローバルな送金ネットワークを作ろうとしているのがリップルです。
リップルは国際送金におけるブリッジ通貨としての役割を担い、数秒から数分で送金を終える送金速度、1度の送金でわずか10円ほどという少額の手数料を実現させています。
リップルは従来の仮想通貨(暗号資産)とは異なり、リップル社が管理しています。そのため他の通貨と比べて既存の機関でも導入しやすく、既に200以上の金融機関が参加しています。
日本でもMUFGやみずほなどの銀行が提携するほか、多くの国立銀行が参加しており、実用化が進めば価値も上昇していくでしょう。またGoogleもリップルに参加しており、Google Payでリップルを導入する可能性もあります。今後のアナウンスが非常に期待される通貨です。
技術面での注目が集まる「イーサリアム(Ethereum/ETH)」
イーサリアムはDApps(分散型アプリケーション)の開発を行うためのプラットフォームです。正確にはプラットフォーム上で機能するイーサという通貨を取引しています。
イーサリアムでは様々な契約を自動で履行することで余計な手間やコストを抑えられる「スマートコントラクト」という技術が注目されています。不動産や金融など、多くの契約が必要となる分野では、イーサリアムの利用が進められています。ほかにもイーサリアムをベースに仮想通貨(暗号資産)が開発されるなど、安定して利用されているために今後の価格上昇も期待されています。
またイーサリアムでは2020年中に「セレニティ」という大型アップデートを予定しています。過去のアップデートでも価格を大きく上昇させており、今度のアップデートも期待できます。
イーサリアムよりも高性能の「イオス(EOS/EOS)」
イオスはICOで史上最高額となる4400億円を記録したことで有名な仮想通貨(暗号資産)です。イーサリアム同様DApps(分散型アプリケーション)の開発を目的としており、Visaクレジットカードよりもトランザクション処理が速いという特徴を有しています。その点ではイーサリアムよりも高性能だと言えるでしょう。
更にイオスでは手数料が一切かかりません。イーサリアムはプラットフォームの手数料として機能するために通貨としての価値が生まれているのですが、イオスは無価値であり、ICOのために生まれた仮想通貨と言っても過言ではありません。アメリカの格付け会社であるWeiss Rating社はイオスにリップルに次ぐ「B-」の評価を下したほか、中国のCCID(北京情報センター)の発表した「国際パブリックブロックチェーン評価ランキング」においても第1位を獲得しています。
権威ある機関が評価した仮想通貨であり、今後の発展が期待できるでしょう。
東南アジアを中心にシェアを伸ばす「オミセゴー(Omisego/OMG)」
オミセゴーという名称は、日本人にとってはなんだか親しみ深く思えるかもしれません。それもそのはずで、CEOを日本人の長谷川潤という人が務めるタイの企業「OMISE」が発行した仮想通貨(暗号資産)です。
OMISEにはイーサリアムの創設者のひとりであるヴィタリック・ブリテンなど、開発チームに高名なメンバーが揃っています。
オミセゴーは他の仮想通貨や法定通貨同士をつなぐ「ブロックチェーンゲートウェイ」という機能を持っており、スムーズに決済ができます。東南アジアではオミセゴーが普及しており、スマホは持っていても銀行口座は持っていないような貧しい人々の決済手段として定着しています。タイの金融庁から表彰を受けるなど、今後は国家ぐるみでの普及が期待されています。アジア圏は仮想通貨の取引量も多く、シェアを伸ばすことができれば価格の上昇は大いに見込めるでしょう。
独自のコミュニティが発展する「モナコイン(Monacoin/MONA)」
モナコインは2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)で考案され、2013年12月に開発された、日本発の仮想通貨(暗号資産)です。
「モナー」という5ちゃんねるのマスコットキャラクターのような存在が名前に採用されるなど、冗談のようですが実はライトコインを元に開発されたかなりしっかりとした仮想通貨です。世界で初めてSegwitを導入するなど、新しい技術も積極的に導入しています。
仮想通貨というと実用面が大きな課題となりますが、モナコインには独自のコミュニティが発展しており、積極的に実用化が進められている点が大きな強みです。秋葉原にはモナコインで決済できる「モナバー」があったり、決済手段として使えるネットショップ、更に少額から送金できる「投げ銭」サービスなどがあります。
2019年8月に行われた同人誌即売会「コミックマーケット」でもモナコイン決済に対応したブースがありました。日本でもキャッシュレス決済の風潮が高まっており、今後更なる需要が生まれるかもしれません。
積極的に開発の進む「エイダコイン(Cardano/ADA)」
エイダコインはイーサリアムの設立者であるチャールズ・ホスキンソンと当時の開発チームによって開発された仮想通貨(暗号資産)です。
当初はオンラインカジノで利用する通貨として開発されていましたが、リブランディングを果たし、現在では決済分野など幅広い分野で利用されるよう開発を進めています。
エイダコイン最大の強みは既存の仮想通貨の持つ強みをすべて併せ持つ点と、高い技術力を背景に積極的に開発を進めている点にあります。特に量子コンピュータによって複雑な暗号を突破され、ブロックチェーンが改ざんされることを防ぐBLISS署名などはまだほかの仮想通貨では見られない仕様となっています。
エイダコインは韓国のフィンテック企業であるメタップスプラスと提携しています。エイダコインの技術を使った「pring」というウォレットアプリや韓国のコンビニで決済手段として使える「ADAカード」などがリリースされています。メタップスプラスの親会社であるメタップスが日本のメガバンク3社と提携を結ぶなど、今後ますますシェアを伸ばす可能性もあるでしょう。
大型アップデートを控える「ネム(NEM/XEM)」
ネムと言えば、コインチェック事件で大量に流出してしまった仮想通貨(暗号資産)として知られています。ですがネム自体は強固なセキュリティを有している仮想通貨です。PoI(Proof of Importance)というコンセンサスアルゴリズムを導入しており、ハーベスティングという仕組みを通じて、平等に報酬が行き渡るようになっています。
ネムでは2019年中にトランザクション能力を大幅に上昇させたブロックチェーンである「カタパルト」の実装を予定しています。カタパルトの実装によって価格が上昇することが期待されます。またネムの開発チームが手がけ、ネムのブロックチェーンとも密接な関係にある企業向けプライバシーブロックチェーン「mijin」も2018年中に公開されました。mijinが普及すれば、ネムの価格にも好影響を与えるでしょう。
マサチューセッツ工科大学で開発された仮想通貨「エニグマ(Enigma/ENG)」
エニグマはあのマサチューセッツ工科大学のOBと研究生の手で開発された仮想通貨(暗号資産)で、イーサリアムの欠点を補うために開発されました。エニグマを利用することでイーサリアムのスマートコントラクトをシークレットコントラクトにすることができます。従来、スマートコントラクトではコードが公開されており、機密保持を重んじる分野では利用しにくいという欠点がありました。
シークレットコントラクトを利用することでコードを秘密にし、プライバシーを保護することができます。また仮想通貨が直面するスケーラビリティ問題も解決できます。エニグマは世界的な半導体メーカーであるインテルと提携しており、今後注目されるかもしれません。
現状の仮想通貨の弱点を解決する「テゾス(Tezos/XTZ)」
テゾスはICOでイオスに次ぐ歴代2位となるおよそ232億円を調達した仮想通貨(暗号資産)です。ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨の抱える弱点を解決する仮想通貨として開発されました。
テゾスは主要なプロトコルを3つに分割することで、ハードフォークによって分裂しなくても仕様を変更できるようにしています。ビットコインやイーサリアムはいずれもハードフォークを経験しており、投資家に混乱を招いています。ハードフォークの懸念を解消することで、より安心して投資ができるようになっています。
テゾスはICO以後、相次ぐ訴訟などで開発が遅れていましたが2018年9月にメインネットを公開、順調に運営しています。ブラジルやUAEの投資銀行がテゾスのブロックチェーンを用いてセキュリティトークンを発行するなど、既存の仮想通貨に取って代わるポテンシャルを見せています。
基軸通貨として機能する「ビットコイン(Bitcoin/BTC)」
世界で最初の仮想通貨(暗号資産)であるビットコインは、今や世界中の仮想通貨取引所で法定通貨と共に取引に使われる基軸通貨として流通しています。もしアルトコインが実用化を進め、取引量が増えた場合、基軸通貨としてのビットコインも間接的に取引量が増え、価格の上昇が見込めます。
発展途上国など、自国の通貨が不安定な地域では安定した資産としてビットコインに投資する動きも見られます。近年でSegwitやライトニングネットワークなど、スケーラビリティ問題の解決にも取り組んでおり、送金スピードも改善されています。
まとめ
今回は2019年以後に価格の上昇が見込める、将来性のある仮想通貨(暗号資産)を紹介しました。機能面で優れた仮想通貨は実用化が進み、価格の上昇を見込めます。仮想通貨はニュースなどがリアルタイムで価格に直結するため、常日頃からアンテナを張っておく必要があります。今回紹介したもの以外にも有望な仮想通貨は数多くあるので、積極的に探すようにしましょう。